一般社団法人 国際ナーシングドゥーラ®協会設立趣意書

設立の目的 

 一般社団法人 国際ナーシングドゥーラ協会は、国内外の看護師資格を持つ者に対して、訪問型の産前産後支援に必要な基本的な知識とスキルを、Webと実践とでトレーニングする教育機関です。 


 延べ20名以上の当協会講師による講座を受け、審査に合格した者だけを「ナーシングドゥーラ®」として認定しております。

 

 当協会は、対象者に対し、身体的精神的社会的に寄り添う「ナーシングドゥーラ®」を養成する事を通して、子育ての楽しさ広がる地域づくりに全ての看護職が貢献できる社会づくり事を目的とし、2016年8月10日設立しました。

  

 

設立の背景

 昨今、日本では少子核家族化初産年齢の高齢化、祖父母世代の有職率の増加や高齢化により、従来親族から得られた産後支援を見つけることができず、ワンオペ育児や産後うつ・虐待・妊産婦自殺等の社会問題が顕在化しています。

 

 しかし、本来、産後6~8週間の女性は「じょくふ」と呼ばれ、出産の侵襲とホルモンの影響で心身共に療養が必要です。

 また、産後の心身の異常の予防と早期発見ができる人材が必要です。


 さらに、新生児についても突然死や乳汁や唾液の誤飲リスクもあるのて24時間目が離せません。

 

 一方、海外では、オランダのクラームゾルフスウェーデンの地域看護師台湾の「到府月子保母」欧米のドゥーラのように、産後支援を公的私的サービスとして提供している国もあります。


 また、日本では、児童福祉法の改正により養育支援訪問事業が拡大され、また、子ども子育て支援法の制定により産前産後サポート事業のガイドラインが公表され、産後支援の整備が進められています。

     

 ところが、少子核家族それらの市町村の7割近くが産後支援者の人材不足と資質確保を課題としています。

  一方、看護師という国家資格者を持つ潜在看護師は70万人と言われており、その理由には、それぞれの家事や育児との両立の困難や高度医療への適応困難と言われています。

 

  そこで、一般社団法人国際ナーシングドーラ協会は、地域での産後支援・地域子育て支援の担い手となる看護職「ナーシングドゥーラ®」という人材育成をもって、全ての産後家族の笑顔づくりと、子育ての楽しさ広がる社会づくりに貢献するために本協会を設立しました。

 

  

初版  2016.08.10

改定版 2019.06.25

 

 

「ナーシングドゥーラ®」から得られること。

 

新生児にとって

・新生児ケア経験がある看護師による養育が家庭で受けられる。

・母親や家族から養育の質が上がる可能性がある。

・新生児の異常の早期発見や早期対応に繋がる可能性がある。

 

母親にとって

・新生児やじょくふケア経験がある看護職と繋がることにより孤立感が低下する。

・タイムリーに育児相談ができる。

・パートナーや上の子・祖父母など、家族との関わりについて相談できる相手が確保できる。

 

パートナーにとって

・父親やパートナーとしての役割についての相談窓口が確保できる。

 

祖父母にとって

・最近の育児方法について学ぶことができる。

・自分たちの子育てが肯定され壮年期老年期の発達課題が達成できる。

 

 

「ナーシングドゥーラ®」になると得られること。

看護職にとって

・個人事業主としての活動を前提としており、自らの育児や家事との両立が可能である。

・新生児への養育やじょくふや家族への支援という家族看護が展開できる。

・看護師としての経験や知識の上に、育児や家事経験を活かし、地域の子育て支援に看護師として参与できる。

・高学歴化高機能化組織化する医療機関とは異なる「療養上の世話」という地域看護が展開できる。

・新生児や産後間もない女性に接することにより、看護職自身が癒されセロトニンが上昇する。

・外国の看護師資格を持つ者が国内の子育て支援に参与できる。

・育児や家事で退職した看護職にとって復職支援となる。

 

ナーシングドゥーラ®による「産後ヘルスプロモーション」   (一社)国際ナーシングドゥーラ協会©2019