その時、話したいと思われている事を、伺う。
こんばんは。
2025年初の「この街大好き! 」
開催しました。
今夜も、能登半島地震を 体験された松村様から お話を 伺いました。
まずは、各自の自己紹介から。
そして、次に 私から「その後いかがですか? 」
と伺ったところ、
地域により被害状況が様々で、
復旧状況も様々だとのこと。
また、震災当時は
地域柄、
顔見知りが多くて声がかけあえた、
みんな顔を知っていた、
それが安心感につながっていた、
情報の伝達がスムースにできていた、と。
祭りや行事でのつながりが良い意味で役に立った、と。
どこに介護の必要な方がいるかを周りの人が知っていたから、
その方をご近所の方が
安全なところまで連れて行っていた。と。
被災時に必要な物は「水」とのこと。
幸い、能登町には湧水があった。
ただ、
湧水は「生活用水」であって、「飲料水」にならないこともあり
「飲料水」は、各地域から来ている水道局の給水車の水を、
列に並んで汲んでいた。
生活用水を汲みに、
飲料水を汲みに、
一日何回も往復する必要がありました。
災害用の大きなタンクは
とても重く持てません。
持っても10Lまでが限界です。
ただ、地域柄一軒家が多いので
雨水を生活用水にするために、
雨樋を伝って落ちる雨水を貯めていました、と。
また、
子供を置いて水汲みにはいけないので、
親子とも持てる位の大きさのペットボトルが役立った。と。
そして、
排水設備が壊れているので
トイレに非常に困った。
その際に役立ったのが凝固剤。
自衛隊から届いた
ネットでしか買えないようなたくさんの凝固剤が入っている大きな袋は
とても便利だったとのこと。
通信手段については、
自分の携帯会社は
たまたま、トラブルが無く
SNSで知り合いと連絡が取れたのは安心だった。と。
学校が再開したあとの一日の作業(家事)の流れでいうと
震災後は大体このような生活でした。
1、朝食を作り片付ける
(ラップでお椀をカバーして洗い物を減らしていました)
2、小学校へ次女を送る(車)
3、小学校(避難所)に洗濯機が設置された後は送迎の時に予約してから、仕事にいく。
4、帰宅後は、生活用水を汲む。
5、飲み水を 給水車に汲みにいく。
6、洗濯をするため学校に行く。
7、買い物・・・店舗の閉店時間が18時頃と早いため焦りました。
8、洗濯を取りに行く
9、子どもを遊びの広場へ連れていく。
10、夕食など家事
11、自衛隊のお風呂
と、こんな日々です。
・・・
受講生からの質問で、
「被災され方には、どのように声をかけたら良いのか」
という質問がありました。
響さんからは
「みんな話を聞いてほしいのよ。きっかけが欲しいのね。きっかけがあると次々出てきます。
例えば、ボランティアで来られた重機担当の方。
東北や関西から来てくれたのですが、
傾聴担当の方と二人ひと組で動いてくれていました。
これは、他地域での震災支援経験から、
ボランティアさん達が生み出した方法とか。
それが、とても、ありがたかった。と。
重機で壊れた家を片付けている間に、
傾聴役の方が、被災された方に、気楽に声を掛けてくださる。
それがきっかけで
うぁーと話が出きていたとのこと。
泣いて話す人もいる。
怒っている人もいる。
黙っている人もいる。
でも、みんな話を聞いてほしいんですよ。
だって、いろいろな信じられない事が起こっていて
ただ、ただ、どうしよう。。。
という感じでしょ。
その先を、考える余裕も力も無い。
そんな時、
ちょっとしたきっかけがあると
次々言葉で出せる。
言葉で出すと、少し落ち着く。
少し前を向ける。
そんな、声掛けが有難いと。
(╹◡╹)♡
実際、私も響さんに
被災直後からSNSで
いかがですか?
と声をかけさせていただいています。
それをきっかけに
響さんは、
その時に話したいことを話して下さっています。
今回も、何のテーマもなく、スタートしました。
話したい時が話す時。
そして、その時が聞きどき。
話をすることで
溜まってたものを外に出せる。
今回のお話はこんな感じでした。
さて、
私たちナーシングドゥーラ®︎が
お客様のおうちにお伺いするのは、
サポート中に地震にあった時か、
その後しばらく経ってからか、
の、どちらかになるかと思います。
私達が今回のこの街大好き!の開催にあたり
参考資料として、事前に目を通しておいてねと 紹介したのは、
関西国際大学保健医療学部看護学科 教授 伊藤 尚子 先生のこちらのコラムです。
災害看護における「傾聴」の大切さが書かれています。
https://www.kuins.ac.jp/news/2022/01/post_454.html
東京都福祉局発行 災害時の「こころのケア」
https://www.fukushi.metro.tokyo.lg.jp/documents/d/fukushi/r5saigaitebiki
このような参考資料をもとに
「傾聴」 の大切さ、これが看護であることを再確認しました。
とっても大切な看護ですね。
出会ったお客様が どんな危機状況にあるのか、
どんな 危機の時期にあるのか
ご家族皆さまそれぞれはどうなのか、
どんな心理的課題に向かいあっておられるか、
そう、災害も人それぞれ。
道一本で被災状況がちがいます。
落ち込んでる方もいれば
頑張ろうとしてる方もいる。
響さんのお話からも、
声をかけても無口で無表情な方もいたと。
しかし、
その時に、響さんは、お辛いんだなあと、付かず離れずでおられたと。
私たちにとっては、響さんはまさにお手本。
私たちは、看護職。
「看」つまりお客様のご様子を、目と手で看る
そして
「護る」専門家です。
怒っていると捉えて、離れるのか。
話したくないなら話さなくていいと、突き放すのか。
それとも・・・
辛いことや思いを、いつか、言葉にして体から出せるように
お客様にスキンシップをしたり、
おいしいものを作ったり、
マッサージをしたり、
潰れた家の中に残っていた写真を一緒にみて
一緒に泣いたり笑ったりするのか。
さあ、みなさま、災害時の看護とは何か学べましたね。
そんな信頼関係づくりを
お客様のペースに合わせて
試行錯誤して関われるのが
ナーシングドーラ®︎の強みです。
災害時に天井が落ちたときに
何を守るか!どう守るか!
意識や呼吸や心拍を確認しなければならない時、
地域の医療機関につなぐまでに看護職としてどう動けるか。
イメージして準備しておく。
これも、ナーシングドゥーラ®︎の強みですね。
今日のこの街大好きでは、
私たちが、今できる日々の備えについて学びました。
全国の100人のナーシングドゥーラの皆様、
そして、
全国72万人の潜在看護職の皆様。
あなたも、ナーシングドゥーラ®︎に。
今日お話しいただいた松村響さんからは
ナーシングドゥーラ®︎の備えについて
教えて頂けた気がしています。
どうもありがとうございました。
これからも引き続きお話をうかがわせていただけるとうれしいです。
それでは失礼いたします。
#ナーシングドゥーラ